「マーベリック MAVERICK」元レーシングライダーが生み出す珠玉のエキゾーストマフラー

サーキットユーザーが熱視線を送る エキゾーストブランド「MAVERICK(マーベリック)」

三重県鈴鹿市にファクトリーを構えるエキゾーストマフラーメーカー「Craft Armadillo(クラフトアルマジロ)」。

同社のブランド「MAVERICK(マーベリック)」は、全日本ロードレースや鈴鹿8耐のレーシングマシンの活躍を支え続けているエキゾーストマフラーだ。

クラフトアルマジロ代表の永田さん。

代表の永田健二さんは、全日本選手権に参戦した経歴を持つ元レーシングライダーで、現役時代は生活のすべてを注ぎ込み、突き詰めてレース活動と向き合ってきたそうだ。

そうした、ライダーとしての経験が現在の製品づくりに多分に反映されている。

マーベリックのプロダクトはすべて“ライダー目線”がひとつのキーワードだ。

こだわりの自社生産体制

マーベリックでは性能のために必要ならば手間を惜しまず造り込むというポリシーを徹底している。

性能優先で必要とあらば溶接でパイプを繋ぎ合わせ、複雑な弧を描かせるような仕事もいとわない。

例えばエキゾーストパイプ径を途中で変更するようなテーパーのプレス部品も自社で製作されている。

こうしたプレス部品まで自社生産しているマフラーメーカーがは非常に珍しい。

バックステップなどアルミ削り出しのパーツ製作のためにマシニングやNC旋盤も完備する。

マフラー製作には欠かせないパイプベンダーや溶接設備も豊富に取り揃えている。

ここまで、設備を充実させ、自社生産にこだわるには理由がある。


自社ですべてを製作する分、手間や時間、技術が必要になるが、自社生産ならば永田さんの狙いを製品に素早く的確にフィードバックさせる事ができるからだ。

 

パフォーマンス追求が行われるレーシングエキゾーストマフラー

マーベリックのレーシングエキゾーストは、単にピークパワーを追求するだけではない。

スロットルをオフにした時にエンジンブレーキのフィーリングや、コーナー立ち上がりのエンジン回転の“ツキ”など、特に高回転域のスロットルに対する反応などが重視して開発される。

そうした特性を持つエキゾーストマフラーこそコントローラブルなマシンへと繋がり、本質的なレースでの“速さ”につながるからだ。

つまり、数値で測れないポイントを重視し、ライダーの立場に立った製品づくりが徹底されるのである。

レーシングライダーと密接に関わり最適解を目指す

そうしたエキゾーストを目指すために、ライダーとのコミュニケーションは欠かせない。

一般的なマフラーメーカーの場合、ライダーがテストで抱いたフィーリングを言語化し、マフラーの開発担当者がそれを元に製品へと反映させる。お互いの仕事は異なるので、そこに僅かな齟齬が発生することもある。

だが、永田さんは元レーシングライダーであり、ライダーの言葉をダイレクトに受け止めそれを製品にそのままフィードバックすることができるのだ。

そこにマーベリックの強みがある。

また、ライダーがマシンに抱く改善したいポイントが、マフラーに由来するものなのか?足回りによるものなのか?EUCのセッティングによるものなのか?といった点を見極めることも行うそうだ。

さらに、ライダーのメンタル面に至るまでサポートを惜しまないのが永田さんのやり方だ。

マシンのセットアップからライダーのケアまでエキゾーストマフラーの開発を通してチームと密接に関わっていくのである。

そうした永田さんの姿勢から生み出されるマーベリックへの信頼は厚い。今シーズンの鈴鹿8耐には2チームをサポートを行ったし、過去には同時に4チームにマフラーサポートを行ったこともあるそうだ。

一般ユーザー向け公道用製品もユーザー目線を貫く

そんな永田さんが生み出す市販車向け公道用マフラーもライダー本意の姿勢が貫かれる。

公道向けはコストと性能のバランスを優先し、街乗りからツーリングまで末永く愛用できるように耐久性にも重きが置かれる

また、仕上がりの美しさから音量、音質までバイク愛好家であるユーザーの立場に立った完成度の高さが特徴だ。

例えば消音のためのグラスウールにしても、素材から、量、入れ方、音質など入念に考えられてマーベリックとしての最適解が追求されている。 

また、アフターケアにも配慮が深い。転倒で破損したマフラーは、可能な限り修理にも対応。細やかなサービスは自社生産ならではの強みになっている。

とても修復できないように見えるこちらのマフラーも再生予定だそう。
新品購入費用よりも修理費用の方が低い場合に対応しているそうだ。

 

幅広いユーザーの人気を集める汎用サイレンサー

クローズドコースで走行会やサンデーレースに参加したり、排ガス騒音規制以前の旧車ユーザーに人気なのが汎用サイレンサーだ。

差し込み径φ60.5mmで幅広いモデルに対応する汎用サイレンサーは形状や材質、長さだけでなく、テールエンドの仕上げなどを細かく選ぶことが可能。

マーベリックらしい高品位な仕上がりをみせる。

ストレート構造の汎用サイレンサーは音量がやや大きすぎる商品も多いが、マーベリック製は内径をφ45mmとやや絞ることで、音量をマイルドにしている。

さらに音量を抑えるバッフルも用意されてる。

このバッフルはテールエンドにボルトで固定する簡易なタイプではなく、サイレンサー差し込み側から装着するタイプとなっている。

これは、マフラーの音質を考慮した結果。単に音量を絞るのではなく、音量を抑えつつ、心地よいエキゾーストノートを両立させる配慮なのだ。

取材時にはこれから出荷を迎える汎用サイレンサーの生産が進んでいた。

これから拡充が図られる車種専用政府認証マフラー 

政府認証マフラーは現在、4機種がラインナップされている。今後は車種別の政府認証スリップオンマフラーの拡充を図っていくそうだ。

現行モデルのオーナーで、現在マーベリックの商品ラインナップにない場合は、期待して待ちたい。

 

レースからフィードバックしたバックステップの展開 

マーベリックではエキゾーストだけでなく車種や車体に合ったポジショニングを実現し、操作性向上を狙ったバックステップもラインナップしている。こちらに関してもユーザー第一の立場に立った製品づくりが特徴だ。

耐久レースでクラッシュしてしまった場合、ピットに戻れるか否かは非常に重要だ。

だからこそマーベリックでは実際にサーキットで転倒したステップを分析。ステップの形状やマウント方法に検討が重ねられ、理想的な形状を導き出している。

このステップは一般ユーザー向けのバックステップにもフィードバックされている。つまり、ツーリング先で転倒した際もダメージの低減を図ることができるのだ。

スプリングの反力を調整しリアブレーキのコントロール性を向上

MAVERICK BSS(リアブレーキ スプリングシステム)は、リアブレーキのリターンスプリングにプリロードをかけて、反力を微調整できるアイテムだ。

ライディング時に意図せずリアブレーキを踏み込んでしまうような場合は、リターンスプリングのテンションを強めたり、逆にリアブレーキを繊細に使いたい際は反力を弱めるなど、好みに合わせた調整が可能となる。

元レーシングライダーならではの発想と言える商品だ。


美しいフォルムの自社生産品スタンドフックもラインナップ。
M6・M8・M10ボルト用を用意する。

日常にオートバイを感じさせるアイテムを

 雨でツーリングが流れてしまった休日に。
様々な事情で大好きなバイクから遠ざかってしまった。

そんな時に、日常でオートバイを感じることができるアイテムとして開発がスタートしたのがマーベリックの美しいチタンエキゾーストを連想させるチタンのカップだ

七色の美しい焼け色と、手で持ったときの軽量感でライダーなら誰しも気分が“アガる”はず。

マーベリックでは、コーヒーやお茶などソフトドリンクに最適なマグカップから、お酒に最適なタンブラーまで、豊富なラインナップを揃えており、現在はバイクショップ以外にも販路が拡大。バイク業界を超えて愛用者が増えている。

持ち手や底面に至るまでこだわりが垣間見え、ライダーならきっと手元に置いておきたくなる。

このチタンカップに関してももちろん自社生産となり、エキゾーストマフラー同様の想いがこもった商品だ。

ぜひ、ご注目いただきたい。

Craft Armadillo(クラフトアルマジロ)のウェブサイトはこちら!