「株式会社PLOT(プロト)」自社開発生産パーツから海外ブランドパーツまでライダーのニーズを捉えた商品を取り扱うPLOT(プロト)

高い信頼性を有するステンメッシュブレーキホース「SWAGE-LINE(スウェッジライン)」

国内外の優れたバイクパーツやウェア、用品を集め、バイクユーザーへと届けているプロト。 

同社はそうした“商社”としての顔が広く知られているが、実は自社でバイクパーツの開発から製造まで行っている“モノづくり”企業としての側面も併せ持っている。  

今回はその中でもステンメッシュブレーキホースのSWAGE-LINE(スウェッジライン)」開発製造の現場をご紹介したい。 

ブレーキホースを純正からSWAGE-LINEに交換するメリットとは?

ブレーキはレバーの入力によってマスターシリンダーに油圧が発生。それをブレーキフルードがキャリパーに伝えることで制動力を発生させている。

バイクの純正ブレーキホースはほとんどの場合ラバー素材が使われているので、油圧によってわずかに膨張し、ブレーキタッチのダイレクト感が損なわれたり、制動力の不満につながるケースも多い

そうした油圧膨張が起こりづらいのが、テフロンホースをステンメッシュでカバーしたブレーキホースである。純正のブレーキホースからステンメッシュホースに交換することで、タッチや制動力の向上を望むことができるのだ。

また、ハンドルやブレーキキャリパー、マスターシリンダーなどカスタムにより、ブレーキホースの長さや取り回しがノーマルから変わった場合も、バイクに合わせた1点もののSWAGE-LINEのオーダーができるのも大きな利点となっている。

SWAGE-LINEの特徴

SWAGE-LINEの安全性へのこだわり

SWAGE LINEの最も大きな特徴はホースエンドのフィッティング部分にある。

独自のヘッドとスカートと呼ばれるパーツがホースのカシメ部をカバーすることで、ブレーキの制動時などホースが大きくたわむような場面でも、要であるカシメ部分の負担を確実に緩和する構造になっているのである。

また、引張・破裂・耐圧・ホイップといったテストを経てJIS規格をクリアしているので、車検にもしっかり対応しており、純正と同じように安心して使うことができるのだ。

車種別適合への注力

車種別キットで用意されているのSWAGE-LINEや、ABS車用の車種別キットSWAGE-LINE PROでは、必ず実車に合わせてホースの長さやフィッティングの角度が決定されている。

ハンドルを左右に切ったり、ブレーキング時のたわみのアールを車体に装着した状態で確認し、もし最適なものが無ければ新たなパーツを新規で製作することもあるそうだ。

ABS接続ブロックやホースセパレーターは車種に合わせて新規制作されることも多い。

さらに必ず実走テストが行われ、ABS車の場合は作動テストまで行われている

ABSユニットにつながる部分はクリアランス的に厳しい事が多く、4本すべて角度の異なるバンジョーアダプターが必要になることも珍しくないそうだ。

そうした開発工程を経た結果、誕生した車種別のキットは単にブレーキホースの長さが合っているということだけでなく、フィッティングの角度から取り回しまで、そのバイクの最適解とも言える適合が追及され、製品化されている

SWAGE-LINEの製造現場

バイク用メッシュブレーキホースSWAGE-LINEはプロト自社で開発を行っているだけでなく、製造までを一貫して手掛けている。今回はその製造現場も見せていただいた。

ブレーキホースという安全に直結する製品だけに、製造現場では間違いが起こらないような工夫や仕組みが随所に設けられている

また、生産効率を高めるためのオリジナルの治具や機械が並んでおり、その製造現場の様子を見ればSWAGE-LINEへの信頼が高まるはずだ。

バンジョーアダプターなど各種フィッティングパーツは膨大な数が用意されていた。

SWAGE-LINE製造手順


SWAGE-LINEはシルバーとブラックのホースの2種類がラインナップされる。 

①車種やオーダーに合わせてホースを採寸し、カットする。

②エアーの力で作動する専用カッターで瞬時に切断することで、ホースの潰れや変形を抑えてカットできる。

③スカートと呼ばれる部品がホースと干渉するのを防ぐOリングを専用治具で挿入する。Oリングは滑りの良いウレタン製。

④ホースに「SWAGE」と入ったマーカーチューブ、Oリング、スカート(赤色)、オリーブの順になるように通していく。

⑤続いてテフロンホース内径を専用の機械で拡張しておく。

⑥次にホース端部のビニール被覆を専用機械で剥いておく。

⑦ピンと呼ばれる部品をホースに挿入する。

⑧挿入は専用の機械で規定の部分まで確実に行われる。

⑨先に挿入してあったオリーブをビニール被覆を剥いた部分に移動する。

⑩専用の機械で確実にカシメられる。

⑪オリーブが潰れて完全にカシメられた状態。この状態なら油圧がかかってもフルードが漏れる心配は無い。アフターマーケット製のブレーキホースはこのカシメ部がカバーされておらず、外に露出している商品もある。

⑫かしめ部分を保護するスカート(赤い部品)とOリングを端部に移動させる。

⑬ ホースのスカート部を専用治具で固定して、ヘッドと呼ばれる青色の部品を締め付けて固定する。アルマイトを傷めないように専用の樹脂製レンチを使用する。

 

⑭最後にOリングを奥まで挿入して完成。スカート(赤)とヘッド(青)は必ず面を合わせて締め付けられる。これは、非分解部分であることを作業者に知らせると共に、もし分解した場合、後から判別できるようにするのが主な理由となっている。

日々、自社工場で生み出されているSWAGE-LINE

こうした工程を経て、毎日200〜300本のSWAGE-LINEが生産されている。今回は撮影の都合上一人で作業いただいたが、通常は2〜3人でミスの無いようにホースが組み上げられている。

SWAGE-LINEの構成部品。今回のホースではスカートとヘッドはアルミ製となり、アルマイトでレッドとブルーに染色されている。バンジョーアダプターを締め付ける際は、必ず青のヘッド部分にレンチをかけて締め付けを行う。

 

一方で耐久性に優れたステンレス製のフィッティングパーツのラインナップもある。写真のブラックはペイントではなく、電解発色処理によるもので、金属の質感やヘアラインなどを活かすことができ、経年変化やフルードに耐える表面処理となっている。

SWAGE-LINEのウェブサイトはこちら

品質を確保するための自社開発&自社生産体制

ここで紹介したように、プロトではメーカーの立場として商品の信頼性に軸足を置きつつ、SWAGE-LINEの自社開発、自社生産を行っている。

こうしたバイクパーツの開発生産を行い、そのノウハウを自社で蓄積しているからこそ、取り扱うバイクパーツへの審美眼にもつながっていることは間違いない

さらに時にはメーカーとしての知見を持つプロトからパーツメーカーへ要望を投げかけ、適合や仕様などを拡大していくことで、バイクユーザーの心を捉える商品作りにも繋がっているはずだ。

さらにここからは、プロトが取り扱っている輸入パーツの紹介をしたい。

世界最大規模のマフラーメーカー「アクラポビッチ」の独自の魅力を解説!

アクラポビッチマフラーと言えば、MotoGPやSBKなど、最高峰のレースで活躍するマシンにこぞって採用されており、ハイスペックなレーシングマフラーとしてのイメージが強い。

もちろん、そうした性能面でのアドバンテージは揺るぎないもので、多くのファンの心を掴んでいることは間違いないのだが、それはアクラポビッチのある一面の話だ。


写真はホンダNT1100用。

現在、レースエントラントではない一般ユーザーに向けた製品では、しっかり日本の規制に適合したJMCA政府認証マフラーが主流になりつつある。決してハイパフォーマンスだけをアクラポビッチに求めているわけではないのが、昨今のユーザーの動向だ。

プロトではそうしたユーザーニーズに応え、アクラポビッチマフラーのJMCA政府認証適合を積極的に推進しており、自社でJMCA認証を進めている。

そして、認証を受けたマフラーについては認証プレートを装着して販売しているのだ。

日本市場向けに製品開発を提案!

さらに、プロトでは日本市場で特に人気を集める機種で、本国アクラポビッチのラインナップに無い場合は、製品開発の提案を行っている。近年ではグロム用やCBR600RR用マフラーがプロトの提案により製品化されたものだそうだ。

世界最大規模&最先端技術で魅力あふれるマフラーを次々にリリース

日本のマフラーメーカーでは熟練職人によるハンドメイドが主流で、それが魅力のひとつになっている。しかし、アクラポビッチでは最先端の設備や技術を活かした製品づくりをしているのが大きな特徴だ。

通常、マフラーの材料となるパイプはサイズの決まった既製品のチタンパイプ素材が使用されている。だが、アクラポビッチでは素材となるチタンパイプまで自社で生産を行っている。

バイクの機種や排気量、ねらった出力特性や音量音質などに合わせてパイプ径を任意に変更できるため、性能面で有利なのはもちろん、デザイン的な自由度も高められる。

また、パイプの曲げ、溶接と言った加工のみならず、チタンの鍛造を行う工場やパイプを圧力で整形するハイドロフォーミングと呼ばれる設備など、最先端設備の導入は他のマフラーメーカーとは一線を画すものだ。

プレスの痕を残さずにチタンに凹凸を設ける加工は非常に難しいが、アクラポビッチでは一般ユーザー向けの量産品にそういったデザインを採用している。

さらにアフターマーケットマフラーでは、同じサイレンサーデザインを様々な機種で流用するのが珍しくないが、アクラポビッチでは基本的に車種専用のデザインとなるのも大きな魅力だ。

また、アクラポビッチの製品耐久試験では“サブリナ”と名付けられたロボットがバイクを操作し、正確なデータ取りを行っている。  そうした設備を持つマフラーメーカーは他に見当たらない。

カーボンパーツに関してもこだわりが深い

サイレンサーバンドはゴムを挟み込んで防振対策をするのが一般的だが、アクラポビッチのカーボン製マフラーバンドは寸法を合わせたジャストサイズ

こうした細部を見てもこだわりが詰まった造り込みが見られる。

憧れの海外ブランドマフラーを安心して装着できる! 

海外ブランドマフラーは、日本の法規制に適合していなかったりする例も多いし、修理などのアフターサービスが思うようにいかないことも多い。

しかし、プロトの取り扱っているアクラポビッチ製品に関しては、修理が可能(破損状況による)だし、JMCA政府認証マフラーに関しては車検の心配もないので、国産メーカーのマフラーと変わらず安心して装着できるはずだ。

まずはラインナップを確認し、自分の愛車用があるかどうか確認してみてはいかがだろうか?

アクラポビッチのお話をうかがったのはこの人!
輸入商品課 輸入商品チーム
シマダさん

アクラポビッチのウェブサイトはこちら

 

拡張性高さと堅牢な造りが魅力のスマートフォンマウントのロングセラー

 

今や日常生活のみならず、ライダーにとってバイクツーリングのナビ代わりとしても欠かせなくなったスマートフォン。

現在アフターパーツ市場ではバイク向けに様々なスマートフォンマウントが存在するが、安心して使うためには、走行中もスマートフォンをしっかりホールドできるマウントが不可欠だ。

プロトの取り扱うRAM MOUNTS(ラムマウント)は、1995年にアメリカで誕生したブランドで、スマートフォンのみならず、タブレットやカメラなど様々なデバイスをマウントするための製品をラインナップしている。

その堅牢性はアメリカのパトカーにも正式採用されており、折り紙付きだ。他メーカーでは樹脂素材がメインで使われることが多いが、ラムマウントは基本素材をアルミ鋳造品としており、街乗りからツーリングまで気兼ねなく使える丈夫さを備えている。

マウント+アーム+ホルダーの3つを選んで愛車にジャストフィット

ラムマウントは基本的にバイクに装着する土台となる「ベース」、スマートフォンをはじめとするデジタルデバイスをしっかり掴む「マウント(ホルダー)」、そしてベースとマウントを繋ぐ「アーム」の3つの部品に分かれる。

 

ベース部品は、ハンドルバーやミラーホールにマウントするものから、フルカウル車向けのステムマウントなど、豊富に用意されているので、機種を選ばず装着が可能。※写真はごく一部のベース。

見やすく運転の妨げにならない好みの位置にスマートフォンをマウントすることができるのだ。

また、スマートフォン以外にもモトブログ用のカメラからドリンクホルダーまで、多彩なマウントが用意されている。写真はアクションカメラ用のマウント。

誕生時から変わらぬ設計で拡張性の高さが魅力!

自由度の高いボールジョイント式の接続やX型のホルダー構造は、誕生以来変わっておらず、バイクを買い替えたり、スマートフォンのサイズが変わったとしても、パーツを交換するだけで使い続けることができる

マウントは近年の大型化したスマートフォンに合わせて手前のMサイズのXマウントが人気。

マウントやアーム、ベースまで組み合わせを任意に変更できるので、バイクを複数台持っている場合や、バイクと車で両方使いたい場合にも非常に都合が良いのだ。

スピーディかつ確実にスマートフォンをホールドするX字のマウント

ラムマウントのマウントはX型のアームを持っており、4点でスマートフォンをホールドする。脱落防止のゴムが付属しているが、あくまで保険的な意味合いで、通常の走行であればスマートフォンが脱落した例はまず無いそうだ。

アームを広げてスマートフォンをセットするだけなので、脱着は非常に簡単かつスピーディである。

スマートフォンをアームで直接ホールドするので、専用のスマートフォンケースなどは必要ないし、機種変更をしても極端にスマホのサイズが変わらない限りマウントはそのまま使用できる

丈夫で汎用性が高く使い勝手に優れているのが特徴だ。

プロト独自で開発した防振ベースがまもなく登場!

昨今スマートフォンのカメラがバイクの走行振動で故障する事例が出てきており、プロトではより高い防振性を持つベースを自社で開発。まもなく正式発売を迎える。

ラムマウントのボールジョイント部はラバーコーティングされており、かなり振動吸収性に優れているのだが、新開発のベースは本体に防振機能を内蔵している。 

防振ベースの開発にあたっては、四輪メーカーでエンジン振動の研究開発を行った経歴を持つ技術者を迎え、他メーカーと比べてもかなり高い防振性を実現させた

防振機構は写真の部分に組み込まれている。

防振スマートフォンマウントとしては後発となる分、その利を活かして性能面でより高いアドバンテージを有しているのだ。

プロトが用意する日本向けラインナップ

ラムマウントはアメリカのメーカーだが、それを日本ユーザーに届けているプロトでは、この防振ベースの他にも、あらかじめベース、アーム、マウントをセットにした「マウントセット」の設定や、フルカウル車用の「ステムベース」の開発などを行ってきている

堅牢さと拡張性、そして一度買えば長く使えるラムマウントにご注目いただきたい。

RAM MOUNTSのお話をうかがったのはこの人!
輸入商品課 
安藤さん

ラムマウントのウェブサイトはこちら

 

走行風を抑制してツーリングの快適度がぐっと高まるMRAスクリーン

サーキットを走るレーシングマシン向けのスクリーンやカウルの開発を行う企業として1981年に誕生したMRA。80年代後半からはバイク用スクリーンに特化し、市販車向けの製品を拡充してきた。

これまでに他のスクリーンメーカーに先んじて様々な技術革新を行ってきており、その歴史の中でスクリーンの進化を司ってきた

MRAが先陣を切って生み出したスクリーン技術革新の数々

グラデーションスクリーンの開発

下部の黒い部分から徐々にクリアに移行するグラデーションスクリーンを世界初採用。スクリーンを装着した車両のフロントマスクを引き締める。

ティアオフエッジを採用したスクリーンを開発

スクリーン縁付近の曲面のきつい部分の歪みを抑えるティアオフエッジスクリーンの製造法を開発。

 

ダブルバブルタイプのスクリーンを世界初開発

レーシングシーン向けにダブルバブルタイプのスクリーンを開発。MotoGPや市販車スーパースポーツ用として広く浸透する。

 

ヴァリオスクリーンを開発


スクリーンの上部に可変フラップの役目をするスクリーンを追加したヴァリオスクリーンを開発。

「X-creen」を開発

純正スクリーンやMRAスクリーンに追加して取り付けられる「X-creen(エクスクリーン)」は風防や整流に効果を発揮する。

充実のラインナップを誇るMRAスクリーン

MRAスクリーンは、輸出仕様の海外向けモデルに関してはほぼすべて網羅する充実のラインナップを誇っている。

また、国内専用モデルに関してはプロトから要望を出すことで、製品化される例も多く、直近ではカワサキのZX-25R用スクリーンもそうした経緯で発売に至ったそうだ。

製品化までは車体を3Dスキャンし、取り付けボルト穴位置や湾曲のアール、風洞実験設備によるテストなどを経るため、半年以上の期間を要す。

現在人気の中心はツーリングユーザー

現在は、スーパースポーツだけでなくツーリングライダーの人気が高く、特にネイキッドモデルのユーザーが多いそうだ。

MRAのスクリーンはネイキッド向けでも、非常に防風効果が高く、ロングツーリングでの疲労低減や快適性に大きなアドバンテージがある

さらに強度重視の完全車種専用設計のステーが付属するので耐久性の面も安心だ。

また、車種専用品のラインナップがない場合は取り付け方法や形状、デザインも豊富な汎用品がおすすめだ。

経年劣化に強いアクリル素材を採用

MRAスクリーンはポリカーボネイトではなく、アクリルを素材として用いている。

その理由は、ポリカーボネイトに比べて経年劣化による黄変や細かなクラックが起こりづらいことにある。

アクリルの厚さは強度と加工のしやすさなどの観点から3mmで統一されている。

人間が踏んでも割れない強度と柔軟性も有しており、安心して装着することができるのだ。

スクリーンに性能を求めるライダーにオススメ!

MRAのスクリーンは、あくまで機能性に軸足を置いているためスモークとクリアの2カラーのラインナップに限定されている。

だからこそ、ツーリングでの快適性や防風性など性能面でスクリーンを選びたいというライダーにこそおすすめしたい。

MRAスクリーンのお話をうかがったのはこの人!
商品部 輸入商品課
AKIRAさん

MRAスクリーンのウェブサイトはこちら

 

ビギナーからベテランまですべてのライダーが満足するパーツがきっとある!

バイクパーツの輸入や販売にと留まらず、海外製品のローカライズや、日本ユーザーに向けた仕様の細かな変更、さらに商品の開発までを担っているプロト。

こうした細部まで行き届いた立ち回りができるのが、PLOT自体がモノづくり企業としてスタートしていること、さらに現在もモノづくり企業である土壌があることは間違いない。

そんなプロトの製品群はこれからも我々ライダーのバイクライフを豊かに楽しくしてくれるはずだ。

PLOTのウェブサイトはこちら