バイク用マフラー「WR'S」(ダブルアールズ)パワー・音質・乗りやすさの3要素を備えたWR'S(ダブルアールズ)のマフラー その開発&生産現場に迫る

バイクマフラーメーカー「WR’S(ダブルアールズ)」は1989年からマフラーの開発をスタートし、1990年にCB400SF用とゼファー400用のオリジナルマフラーをリリース。以降現在まで34年の歴史を持ち、現在も最新機種のマフラー開発&販売を積極的に行っている。
WR'Sマフラーの特徴
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純正よりもパワーを向上
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キャラクターに合わせた乗りやすさを実現
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心地の良い音質を追求
WR’S(ダブルアールズ)の生命線となるマフラー開発体制

WR’Sマフラーの生命線となるのが開発現場だ。開発部長の山本弘之氏は、WR’Sブランド立ち上げ以前から他メーカーでアフターマーケットマフラーの開発に携わってきた人物。
その当時からレース活動を行っており、マフラーのエキパイ径や長さ、集合部の形状などの変更によりエンジンの特性がどのように変化するのか? 自らサーキットを走って身を持って体感し、その知見やデータを蓄積させてきた。
鈴鹿サーキットであれば、東コース用、フルコース用、西コース用といった具合にコースに合わせてそれぞれ最適化させたマフラーを製作するなど、独自の発想や取り組みは現在のWR’Sの製品にも存分に活かされている。
シャシーダイナモを駆使して感覚だけに頼らず性能評価を実施

こうして培われてきた山本氏の経験に加えて開発に欠かせないのがシャシーダイナモだ。
WR’Sではブランドスタート時からシャシーダイナモを導入している。
当時はまだマフラー開発に本格的にシャシーダイナモを取り入れているメーカーは少なかったが、山本氏は積極的にシャシーダイナモを活かした開発を行った。

シャシーダイナモの導入によって、それまで感覚に頼っていた部分を数値やグラフで明確化できるようになったことは大きなメリットだ。
山本氏の経験に裏打ちされた理論とシャシーダイナモによる正確なデータを組み合わせることで、より確かな性能を発揮し、狙った性能のマフラーを開発することができるようなったのである。
また、全開テストが難しいような排気量のバイクのマフラー開発にも効果を発揮した。

早期からシャシーダイナモを導入したことによって築いた「データを取ってそれを評価する力」はWR'Sの大きなアドバンテージだ。山本氏の力を見込んで8耐や全日本を走るレーシングマシンがお忍びでWR’Sに持ち込まれ、ライダーやメカニックからアドバイスを求められることも珍しくないそうだ。
WR’Sとして最初にリリースしたマフラーが発揮した性能でその名を知らしめる
ブランドスタート当時から熱のこもった開発をつづけてきたWR’S。同社初めてのマフラーはバイク誌主催のパワーチェック企画で新参メーカーにもかかわらず好成績を収めることに成功した。
こうしたニュースや口コミにより、高出力を発揮するマフラーメーカー「WR'S」の名はライダーの中に浸透していくことになる。
ラインナップを小排気量からミドルバイク中心にする理由とは?
WR’Sのラインナップは小排気量から400ccクラスが中心になっている。その理由は、同社のある狙いによるものだ。
90年代当時、エントリーモデルといえば中型二輪免許で乗れる250~400ccクラスだった。
そうしたユーザーに「マフラーを交換すれば、パワーアップしてルックスが良くなり、車重が軽くなってさらに音質も良くなる」といった変化を体感してもらいたい。
そしてWR’Sを通してカスタムする楽しみを知り、もしその後ビッグバイクに乗り換えたとしてもカスタムを楽しんで欲しいという願いがあるのだ。
そのコンセプトは今も変わらず、原付二種~ミドルクラスを中心にマフラーをリリースしている。
また、ラインナップはすべて政府認証マフラーなので安心して装着できる。
HONDA|2023〜【8BK-MC51】SLIP-ON
SS-OVALタイプ【JMCA政府認証マフラー】
CBR250RR(23年モデル)の持つスポーツ性を活かしつつ、操る喜びをプラスしたスリップオンマフラー。
低速トルクとパワーをそのままに中高速域の特性を大きくアップデートすることで、街乗りからワインディングまでパワー感を堪能することに成功。
さらにスロットルを戻した時の過度なエンジンブレーキを大幅に低減させ、乗りやすく疲れにくい特性に仕上げられている。
他のWR'S製品と同様『音量より音質』にこだわり、サイレンサーの内部構造は23年〜CBR250RR専用品として「ミリ単位」で設計されており、雑味を取り除きつつ、低音を増したツインエンジンらしいサウンドを堪能できる。

※写真はSS-OVAL F-BLACKタイプ(チタンシェル)
SS-OVALサイレンサー
品番 |
品名 |
税込価格 |
SK1245JM |
SS-OVALソリッドタイプ(チタンシェル) |
67,100円 |
SB1245JM |
SS-OVAL 焼き色タイプ (チタンシェル) |
70,400円 |
SF1245JM |
SS-OVAL F-BLACKタイプ(チタンシェル) |
72,600円 |


ラウンド(真円)サイレンサータイプ

品番 |
品名 |
税込価格 |
BF1245JM |
ステンレス サイレンサー |
48,400円 |
BC1245JM |
カーボンサイレンサー |
56,100円 |
BK1245JM |
焼き色チタンサイレンサー |
56,100円 |
最良を追求し繰り返されるトライアンドエラー
現在、原付二種~ミドルクラスは活況をみせており、魅力的な機種が次々と登場している。そうした中、新型車がリリースされれば、それに対しなるべく早くアフターマーケットマフラーをリリースするのがビジネス的に正解なのは間違いない。
しかし、WR’Sでは製品が一定のレベルに達していなければ躊躇なく発売を遅らせ、開発を繰り返すことも珍しくないそうだ。

YAMAHA|YZF-R125・MT-125【8BJ-RE45J】/YZF-R15【8BK-RG86J】FULL EXHAUST
ヤマハR125・MT125用のフルエキゾーストもそんな1本。
開発初期段階で純正を上回るパワーを出すことに成功したが、音質や出力特性など、もっとクオリティを高めることができないか?と探求を続け、WR’Sらしい完成度を実現している。

心地よい音質を追求するため、レゾネーター試作を繰り返す。

写真の試作テスト用エキパイはこれでも一部。試作~シャシーダイナモ~実走行を繰り返し目指すべく性能に近づけていく。
パワーだけでなく乗りやすさをも追求する

新規製品を開発する際は、まずノーマル状態のバイクに乗り、さらにノーマルでシャシーダイナモをかけてスタンダードのエンジン性能を確認して製品の方向性を決定。
パワーアップを確実に果たしつつ、ユーザーが公道でどのような乗り方をするかを見据え、実用域のパワーと乗りやすさに重点が置かれる。
現行の小排気量モデルは特にスロットルオフ時のエンジンブレーキが顕著で、それがギクシャク感を生む理由にもなっている。
WR’Sのマフラーは、そうした部分のネガも極力打ち消すような設計にすることが心がけられている。
マフラーを交換することで、パワーとルックスが向上し、さらに操りやすくなってバイクが楽しくなる。そうした製品を目指しているのだ。
製品ごとに異なるサイレンサーの内部構造

現在、400cc以下のクラスは百花繚乱で同系エンジン車も多い。しかし、出力特性や乗り味は全く別ということも少なくない。

WR’Sでは共通のサイレンサーでも十分パワーアップが期待できるZX-25RとZX-4Rの2機種に関しても、それぞれに手間を掛けて開発を行い、サイレンサーのデザインは一緒でもその内部構造は各機種ごとに最適化させている。
そうした細やかな開発と生産を可能とするのが自社工場の存在だ。
完全自社生産で高品質を確保


WR’Sのマフラーはすべて完全自社生産。素材はパイプの状態で仕入れて、自社でパイプベンダーを使って曲げている。


接続部の加工やキャタライザーの装着ももちろん自社で行う。

溶接はメーカーのワークスマシンのスイングアーム溶接も担当した熟練職人が担当。美しい溶接痕もWR’Sの魅力だ。


テールエンドのリベットも1本1本手作業で行われ、高い完成度が保たれる。


人気のブラックサイレンサーはつや消し塗料をオリジナルで開発。指で触れても痕が残らず、汚れも水洗いでキレイに落とすことができるので、永く愛用できる。
創業当時のスピリッツは現在のWR’Sのマフラーにも息づいている
現在は取り付けが手軽でかつコストパフォーマンスに優れたスリップオンのラインナップが拡大しているが、一方で高品位なフルエキゾーストも積極的にリリース。
エントリークラスのユーザーにその魅力を発信し続けている。
SUZUKI|2023- Vストローム250SX【8BK-EL11L】 FULL EXHAUST

SS-OVALタイプフルエキゾースト 【JMCA政府認証マフラー】
LF3260JM |
F-BLACKチタン仕様 |
90,200円 |
既存製品として開発実績のあるジクサー系のマフラー管長を踏襲し、スロットルレスポンスを向上させると共に常用域である低中速域はもちろん、中高速域まで大幅な出力向上に成功。
さらにスロットルオフ時の過度なエンブレをマイルド化するとともに不快な破裂音を抑制。シングルエンジンらしさを残しつつジェントルなサウンドに仕上がっている。
写真は今回新たに採用されたブラックサイレンサー(F-BLACKチタン)。
SS-OVALタイプフルエキゾースト
LK3260JM |
ソリッドチタン仕様 |
84,700円 |
LB3260JM |
焼き色チタン仕様 |
88,000円 |

ラウンド(真円)サイレンサーフルエキゾースト
A3260JM |
ステンレス サイレンサー |
69,300円 |
SC3260JM |
カーボンサイレンサー |
75,900円 |
LS3260JM |
焼き色チタンサイレンサー |
77,000円 |