ルブロイド(LUBROID) 誰にでも簡単に出来る、すごいエンジンメンテナンス 100トンを超える開閉型ドーム球場の屋根にも使われる、高性能エンジンオイル添加剤

摺動する金属の集合体であるエンジン

バイクの車体は金属部品と部品が摺動(こすれ合う)する箇所が積み重なった集合体だ。エンジン内はもちろん、ホイールベアリングやサスペンション、ハンドルのスイッチまで走行中はありとあらゆる箇所でフリクションが発生している。
中でも、エンジン内部は高温、高圧下で非常に高い回転数で金属と金属が摺動するという過酷な環境下にある。そこで重要な役割を果たすのがエンジンオイルだ。
ただ、いくらエンジンオイルで潤滑されたとしても長い目で見ればエンジン構成部品の摩耗は避けられない。特に高回転を多用するバイクのエンジンはそれだけ酷使されており、いくら適切なサイクルでオイル交換を行っていても、走行距離を重ねていけば各部クリアランスの増大による異音や振動の増加パワーダウンなどの症状が発生する。
また、高負荷、高回転走行が連続する場合(サーキットでの全開走行など)は、焼付きなどの故障リスクも高まる。長く高性能を維持して乗り続けるためには適切なタイミングで修理(オーバーホール)が必要だ。
エンジン保護に高い効果を発揮するメタルコンディショナー「ルブロイド」

そんな過酷な環境下のエンジンを守るのに効果を発揮するのが、エンジンオイル添加剤「ルブロイド」だ。
現在、市場には多様なオイル添加剤が存在しており、その中にはエンジンや環境に悪影響が出る恐れのある「塩素」や「固形物」などを含むものもあるが、ルブロイドはそうした成分を一切使わずに極めて優れた潤滑性能発揮するのが最大の特徴だ。
このルブロイドは、実は工業分野で大きなシェアを誇っており、国内自動車メーカー全社をはじめとする製造業の工場や海上自衛隊などにも正式に採用されている。
今回はルブロイドの生みの親である株式会社アーステックの松田武代表にお話を伺った。

ルブロイド開発の契機ともなったメタルトリートメント「ミリテックワン」
湾岸戦争をひとつのきっかけとして主に軍用としてアメリカで開発されたミリテックワン。当時、大手商社にて海外先端技術の輸入調達を担当し世界を飛び回っていた松田氏は、1990年頃にミリテックワンに出会った。
ミリテックワンは米国海軍やNASAの技術コンサルタントなどと共同開発されたメタルトリートメント剤で、湾岸戦争当時、戦場でオイルパンを破損してオイルが抜けきった軍用車がオイルレスでも走行して帰還できるような優れたエンジン保護性能を有していた。
松田氏は、そんなミリテックワンのポテンシャルに大きな可能性を抱き、日本での販売権を取得。自ら起業してミリテックワンをアジア市場へと広めていくことになる。
当時エンジンオイルのライフを伸ばす“オイルトリートメント”は存在したが、金属表面を保護する“メタルトリートメント”できる商品は画期的だったそうだ。
非常に高い効果を発揮したミリテックワンは、エンジンオイル添加剤として日本の一般ユーザーにも広く浸透することになったのだが、2000年辺りを目処に塩素を含む製品は、環境の面から敬遠されることになり、ミリテックワンの販売は岐路に立たされることになる。
ミリテックワンを超える性能を発揮
元々、大学で量子力学を専攻していた松田氏は、ミリテックワンを扱う中で“摩擦(friction)、摩耗(wear)、潤滑(lubrication)”に関する科学・工学「トライボロジー」の知見を蓄えてきた。
そこで、これから先の時代の流れを見据えて塩素や固形物を含まないメタルコンディショナーの開発に着手。構想から完成まで約10年の期間を費やして完成させたのがルブロイドだったのである。
こうして誕生したルブロイドは塩素など有害になる可能性がある物質やモリブデン、PTFE(テフロン)、

ルブロイドの効果と特徴
- 金属表面に強靭なトライボフィルム(被膜)を形成
- 摩擦を低減し摩耗を抑制する超潤滑性能
- 金属のかじり、焼付き、異常摩耗部を正常に潤滑
- 防錆、耐蝕、耐水性
-
塩素・ハロゲン物質・重金属・PTFE・
固体成分を含まない
- 環境有害物質を含まず高い安全性を確保(PRTR法・RoHS・PFOS規制・REACH規則など全ての環境規制基準をクリア)
- ゴム、樹脂部品に悪影響を与えない
工業分野でのルブロイドの導入効果
先にも述べたようにルブロイドの約95%が工場など工業分野で使われている。
導入により、どれだけコストがカットできるか? 環境や人体に悪影響のある成分が含まれていないか?
そうしたシビアなコスト意識と厳しい品質基準を持つグローバル企業や自動車メーカーにおいて、その優れた潤滑効果と安全性が認められた上で広く採用されており、信頼性の高さがうかがえる。
工場などの製造現場では、金型・治工具、設備機械の潤滑、ドリルや切削を行うエンドミルなどにルブロイドが使われ、高い効果を実証。生産機械や刃具類の加工性がアップし、設備の寿命が伸びることで、数億円規模でコストカットに成功した事例もあり、導入企業は増え続けている。
また工業分野ではルブロイド原液を直接金属に塗布し、専用の熱処理装置で加熱することで表面にトライボフィルムを形成・定着させる「ルブロイド処理」も行われている。
さらに、身近なところではドームやスタジアムなどの100トンを超える開閉式の屋根の潤滑用途や、有名テーマパークや遊園地のアトラクション、国内メーカーの電動工具内部のグリスなど様々なところでルブロイドが使われており、その用途は日々広がり続けている。
バイク・自動車向けルブロイド「LE-2000」「LE-2500」

このように工業分野での効果を持つルブロイドの成分をそのままに、バイクや車など4ストロークエンジン用としてパッケージにされたものがLUBROID(ルブロイド)LE-2000とLE-2500だ。
バイクのエンジンにルブロイドを注入することで得られる効果
- エンジン内の摩擦を低減しスムーズ化
- 部品表面にナノレベルの被膜を形成し摩耗を抑制
- コールド&ドライスタート時のエンジン保護
- エンジンパワーの向上
- スムーズな回転上昇
- 燃費の向上
- エンジンオイルの寿命を伸ばす
- エンジン内部の防錆
- エンジンのメカノイズの低減
- エンジン振動の低減
- 水分や燃料など不純物が混入した際も潤滑性を確保
- ゴムシールやガスケットの攻撃性なし
- 湿式クラッチにも使用OK
- 塩素や固形物を含まない
エンジンに注入するメタルコンディショナー「ルブロイド」
エンジンに注入するルブロイドLE-2000とLE-2500の違いは容量。
LUBROID LE-2000(容量240ml)
LUBROID LE-2500(120ml)
ワイヤーのグリスアップなどにも最適なスプレー式のルブロイド
LUBROID LSP-50
ルブロイドの正しい使い方と添加量
ルブロイドはベースにミネラルオイルが使われており、注入量を厳格に管理しなくともエンジンに悪影響が出ることは無い。また、注入はどのタイミングで行っても良いが、なるべく長く効果を享受するにはオイル交換タイミングで使用するのが最適だ。
注入量はバイクであればエンジンオイル量の5~6%、ハイブリッド車などエコカーならば3~4%で、注入後油温が上がるまで、走ればエンジン内部パーツ表面にルブロイドの成分が金属表面に分子結合し“トライボフォルム”が形成され効果が表れる。
形成されたトライボフィルムは剥がれることもあるが、エンジンオイル内にルブロイドが含まれている限り、瞬時に再形成されるので、エンジンは常時保護される。つまり、エンジンオイル交換のタイミングで毎回ルブロイドを注入し、常にエンジンオイルにルブロイドが含まれている状態が理想的だ。
こうしてルブロイドをエンジンオイルに添加することで、表れる効果を解説していこう。
全方位に好影響が出る潤滑性の向上
エンジン保護性能の向上
最も大きな効果は潤滑性の大幅な向上にある。エンジン部品同士の摺動部がスムーズに動けば摩耗が抑制されるので、エンジンのライフが伸びるのは間違いない。走行距離を重ねても新車時に近いパワーを維持し、スムーズでメカノイズの少ないエンジン性能が持続する。
エンジンメンテナンス費用は多大なので、ルブロイドによってエンジンの賞味期限を長くできれば大きなコストカットにもなるだろう。
エンジン発熱の低減
エンジン各部のフリクションが抑えられれば、エンジンの発熱量を抑えることができる。夏場のオーバーヒートの予防になるのはもちろん、油温の過度な上昇を抑え、適性油温が維持されることで、オイルの性能も発揮されやすくなるのだ。
また、油温の過度な上昇を抑えられれば熱酸化が起こりにくくオイルの寿命も延ばすことができる。さらにエンジン振動や燃費の向上にも寄与することは間違いない。
ドライスタート時のエンジン保護
バイクに頻繁に乗らない、または近距離走行が多い乗り方のケースにもルブロイドがひと役買うはずだ。
エンジンが始動するとエンジンオイルはオイルポンプによってエンジン各部に圧送されるが、エンジンが長期間動いていないとシリンダーヘッドやシリンダー内壁のオイルは重力で落ちきって、油膜の無いドライ状態となってしまうのだ。
そのままエンジンを“ドライスタート”させてしまうと、部品同士が直接摺動することになり摺動傷が付いたり、著しい摩耗を起こすこともある。
しかし、ここでもしルブロイドによるトライボフィルムがエンジン各部に形成されていれば、オイルが落ちきった状態でも潤滑被膜が存在することになり、ドライスタートのダメージを防ぐことができるのだ。月に1~2回しか乗れないような場合もルブロイドが心強い存在となるだろう。
水分やガソリンの混入があってもエンジンを保護
エンジン始動直後はエンジン内と外気温との気温差でエンジン内部に結露が発生し、わずかながら水分がオイルに混入する。
やがて油温が100℃を超えれば水分は徐々に蒸発するが、100度を超えないちょい乗りを繰り返すと水分がどんどんエンジンオイルに混入し、オイルが乳化して潤滑性能が著しく低下する。
また、キャブレターのオーバーフローなどでエンジン内にガソリンが混入した場合もガソリンによって油膜が洗い流されてしまうため、潤滑性が大幅に低下してしまう。
そうした際にもルブロイドを使っていれば、エンジンを保護することができるのだ。
先にも述べたように、バイクのエンジンは車に比べて高回転型なので、エンジンの潤滑は非常に重要だ。
だからこそ、ルブロイドのようなメタルコンディショナーは非常に効果的だ。新車や中古車を手に入れた際は、まず最初にルブロイドの注入をおすすめしたい。また、冷却性能が現行車ほど高くなく、ピストンやヘッド周りなどのクリアランスが広い傾向にある旧車には特に最適といえる。
表面処理との親和性も高い
現在、エンジン部品の耐久性や潤滑性を向上させる方法として一般的なのがWPCなどに代表される金属表面処理である。ただし、WPCなどの処理はエンジン部品を単品にし、専門業者に依頼する必要があるのでコストは高い。
一方、ルブロイドならば、エンジンオイルに混ぜるだけで金属表面を保護が可能。また、WPC処理との組み合わせでさらなる潤滑性の向上も期待できるので、どのようなバイクでも安心して使うことができる。
ルブロイドの効果を視覚的に理解できるチムケン試験機による実験

こうしたルブロイドの効果を図るのに最適なのがチムケン試験機による実験だ。
チムケン試験機はその場で潤滑剤の性能を評価、確認できる試験機で、アーステックではオリジナルでチムケン試験機を製作して販売も行っている。
アーステックのチムケン試験機は、手の力で任意に加重するトルクレンチ方式ではなく、ウェイトを使う方式なので、より正確な測定が可能だ。
チムケン試験機は上写真の通り回転体とテストピースの摺動面にオモリで徐々に荷重を加えていき、どこまでスムーズに摺動して潤滑が保たれるかをテストする。

重りは0枚から最大20枚まで。

摺動面に加わる荷重は19kgから365kgまで可変する。

摺動面の抵抗の大きさはモーターへ流れる電流(アンペア)で確認できると共に金属と金属の擦れる音でも理解できる。
エンジンオイルに添加した際のルブロイドの効果

まずは本体の回転体がエンジンオイルで浸った状態にして試験機を稼働させ、オモリを一枚ずつ加えていく。
オイルのみの潤滑では重りが0枚の状態ですでに金属の軋む音が鳴り、オモリが一枚でアンペアメーターの針が負荷方向に振れていく。

そして、重り2枚(54kg)を乗せた段階でモーターがロックして止まってしまった!

回転体とテストピースが融着、つまり焼き付いてしまったのだ。

接触面を見ると明らかに削れた摩耗痕があり、非常に大きなダメージを受けたことがわかる。

この焼き付いた状態で、回転体を潤滑していたエンジンオイルにルブロイドを4%添加していく。

再びチムケン試験機を作動させると回転は何事もなかったように再スタートした。

最初は聞こえていた金属の軋む音も小さくなり摺動回転は非常にスムーズに。この時点でルブロイドによるトライボフィルムが形成されたことが理解できた。
ここからさらにオモリを一枚ずつ追加していくと、最終的にオモリを13枚まで積み重ねることに成功。

摺動面にかかる加重は244kgとなる。焼付きを起こした時点では54kgだったことを考えるとルブロイドにより200kg近く増した荷重に耐え抜いたことになる。
一度焼き付いた状態でもそこまで摺動し続けられたことを考えると焼付き前からルブロイドを添加していればもっと大きな荷重に耐えられたと思われる。

焼付きの応急処置として工業分野でも重宝されている
こうしたルブロイドの高い潤滑性は製造現場の設備機器の応急処置においても効果を発揮しているそうだ。
焼き付いて壊れた機械をルブロイドで再潤滑させることで、修理できるまでの期間、応急的に機械を動かし続けることができ、生産ラインを止めないで済んだという事例もあったそうだ。
ドライ状態でルブロイドを数滴垂らし潤滑性をテスト!
365kgの重量を受けながら回転し続ける

次にテストピースの接触面を変えて、オイル潤滑の無いドライ状態で試験を行う。

ルブロイドを摺動面に数滴垂らし、試験を行った。

そのまま徐々にオモリを足していくと、なんと全く無給油のまま最大荷重がかかる20枚まで達してしまったのだ。
つまり365kgの局所の荷重にも耐え抜いたのである。

テストピースを見てみると摩耗痕は先程のオイル潤滑時に焼き付いたダメージよりも大幅に低減されていた。
事実、韓国におけるルブロイドのプロモーションでは、正規の手順でルブロイドを注入した後にエンジンオイルをすべて抜き取った状態でエンジンを始動。そのまま走行させるという過激なデモンストレーションが行われたのだが、全く焼き付くことなく普通に走ることができたそうだ。
また、ユーザーのテストではルブロイドを使った車がオイル切れのまま50km以上を走りきったという報告もあったそうだ。
高性能エンジン添加剤「ルブロイド」を愛車に!
現代のエンジンは非常に耐久性に優れており、メーカー指定サイクルでオイル交換を行えば、故障することはまず無いだろう。しかし一方で走行距離が嵩んだり高回転を常用するような乗り方だと各摺動部の摩耗は避けられない。
エンジン性能を維持し、末永く気持ちの良い走りを発揮させるために工業分野でも信頼性の高い高性能オイル添加剤「ルブロイド」を自らの愛車に使ってみてはいかがだろうか。