「MAGICAL-RACING」(マジカルレーシング) 素材とバイクの両方に深い理解があるから実現できる機能美フォルム マジカルレーシングのボディワークに注目

スポーツモデル向けを中心に美しく機能的な外装パーツを多数リリースするマジカルレーシング。
同社のスタートは1975年ごろに遡る。当初は代表の蛭田 貢氏がひとりで四輪のフォーミュラマシンのボディやサーフボードの原型製作などを行っていたが、徐々に二輪パーツメーカーなどからOEM品製作の依頼が舞い込むことになり1978年にマジカルレーシングの看板を掲げる。以来会社は拡大していった。

転機のきっかけとなったのが1980年に発売されたヤマハRZ250だ。RZ250用としてビキニカウルなどの外装パーツを自社ブランドでリリースし、好評を得ることになる。
時を同じくして高性能パーツの素材として注目を集め始めたのがカーボンだった。蛭田氏はその性能と拡張性にいち早く着目し、自社パーツの素材として取り入れた。
同一素材で材料設計が可能な「カーボン」と「グラスファイバー」
カーボンとグラスファイバーの強みとして蛭田氏がまず挙げるのが材料設計を可能としている点だ。カーボンやファイバーであれば、ひとつのパーツの中で軽くしたい部分や強度を持たせる部分、あるいはしならせたい部分など部位ごとに性質を変えることができるのである。
これは金属や樹脂、木材などには無い大きなメリットだ。
そうしたカーボンやグラスファイバーの特性や優位点に対する深い知識に掛け合わされるのがオートバイの車体作りに関する知見だ。
レースで培われれた技術を自社パーツにフィードバック

過去には自社チームでレース参戦していたマジカルレーシング。蛭田氏は現在もレースにエントリーする現役レーサーだ。

バイクは様々所有するが、最も熱を入れているのがRG500Γのレーシングマシンである。そこには自ら考案、製作しテストを繰り返した極限まで振り切ったカーボンパーツが満載だ。

例えばシートレールはモノコック形状となっており、カーボンのボディそのものが骨格となっている。
カーボン製なので軽量なのはメリットだし、金属フレームが無いのでデザインやマフラーの配置などパーツレイアウトの自由度も高くなる。

そして何よりその造形は美しく見事だ。とてもRG500Γには見えない仕上がりである。

燃料タンクもフルカーボン製。タンクの中でどこに強度が必要で、転倒時に路面に接するのはどこなのか?などを多角的にシミュレートして設計が行われている。

同社でラインナップされているキャリパークーリングダクトも蛭田氏自らがレースで効果を体感している。
こうした振り切った仕様のマシンを自ら実験的に製作しているからこそ、市販パーツへのフィードバックを行うことができるのだ。
デザインと素材の設計にすべて意味がある

例えば同社のスズキ油冷用のエンジン(クランクケース)カバーを例に挙げると、表面は見た目の美しさに優れた綾織のカーボン、二層目に衝撃吸収性に優れたケブラー、そしてその下にさらに強度を高めるカーボンを重ねていくことで、エンジンカバーとして機能を発揮するように材料設計が行われているのである。
つまり、バイクのパーツとしてしっかり機能を果たすためには、形状だけでなく素材までも含めて設計することが肝要なのだ。
開発力こそマジカルレーシングの生命線
マジカルレーシングの強みは設計を行うスタッフの能力と技術力にあるという蛭田氏。製品開発はどのような工程があるのだろうか。
同社では3D CADや3Dスキャナーといった最新の設備を備え、CAD上で強度計算までできる環境を整えているそうだが、実はアナログで進める領域が大きいそうだ。
開発は実車を用意することからスタートする。実車を前にして製作するパーツを決定。だいたい、1台で10アイテムほどをラインナップしており、商品化までには2ヶ月半~3ヶ月程度の期間を要する。
デザインよりも優先すべきは機能性。そこから生まれる機能美
同社には専任のプロダクトデザイナーは在籍していない。製品に問わるのはデザインよりもまず機能性だ。
アンダーカウルであればどれぐらいのバンク角を確保できるか? フェンダーであればどれぐらいの剛性が必要か? という機能面を最優先してフォルムが決められていく。
例えばスズキ隼のフロントフェンダーを250ccクラスのマシンのフロントフェンダーと同じ構造で製作した場合、300km/hを超える速度域ではフェンダーが走行風で歪んでタイヤに接触してしまうだろう。
実際にそれだけの速度を出すことは無いだろうが、必ずそこまで想定の上で、車種ごとにフォルムや取り付けの部分の強度、本体強度向上のためのリブやスリットなどを製品に盛り込んでいく。
その結果、同社製品が持つのが機能美である。機能を追求した末に生まれるデザインが同社製品の個性なのだ。
開発はすべて自社で行われる

原型はウレタンで造られ、それを基に型を製作。

大型の湿式塗装ブースを2基完備し、ゲルコートを吹き付けて試作品などの製作を行う。

カウルの製作時はスケルトンのダミーを製作し、マフラーなどへの干渉の確認を行う。
こうして製品が完成すると続いて量産に入る。量産は自社でも行うが、協力工場へ委託も行う。
ただ、委託先のほぼすべてがマジカルレーシングから独立開業した職人の工場なので、製法も均一化されており、品質もしっかり担保されている。
そんな同社のノウハウが詰まったエクステリアパーツをまとったマシンを紹介したい。
2019 SUZUKI KATANA Street Bodywork


フロントフェンダー
FRP製・黒 | ¥23,100(税込) |
平織りカーボン製 | ¥35,200(税込) |
綾織りカーボン製 | ¥36,300(税込) |

バイザースクリーン
平織りカーボン製/クリア | ¥33,000(税込) |
平織りカーボン製/スモーク | ¥34,100(税込) |
平織りカーボン製/スーパーコート | ¥52,800(税込) |
綾織りカーボン製/クリア | ¥34,100(税込) |

リアフェンダー
FRP製・黒 | ¥22,000(税込) |
平織りカーボン製 | ¥36,300(税込) |
綾織りカーボン製 | ¥37,400(税込) |
チェーンガード
平織りカーボン製 | ¥15,400(税込) |
綾織りカーボン製 | ¥16,500(税込) |


シングルシートキット
FRP製・黒 | ¥184,800(税込) |
平織りカーボン製 | ¥275,000(税込) |
綾織りカーボン製 | ¥286,000(税込) |

アンダーカウル
FRP製・黒 | ¥41,800(税込) |
平織りカーボン製 | ¥56,100(税込) |
綾織りカーボン製 | ¥57,200(税込) |

ハンドルバーエンド
シルバー・平織りカーボン製 | ¥8,250(税込) |
シルバー・綾織りカーボン製 | ¥8,250(税込) |
ブラック・平織りカーボン製 | ¥8,250(税込) |
ブラック・綾織りカーボン製 | ¥8,250(税込) |

カーボンレーシングスタンド
価格未定
バイク用パーツで培ったノウハウと技術力は様々な分野へ広がる
代表の蛭田氏は義肢や装具のメーカー「川村義肢株式会社」に協力する形でパラアスリートの競技用装具や車イスなどの製作にボランティアで参画している。
その領域は、パラアスリートの装具の目的や実際の使われ方、機能、使いやすさを加味したカーボンパーツの製作といったことから、車イスの構造に対するアドバイスやタイヤのアライメントの考え方まで、多岐に渡っている。

写真は車いすラグビー選手のプロテクターで、衝撃を受ける側は13プライにして強度を確保しつつ、ボールを置く際のくぼみなどを設けて使いやすさを追求。ただ、実戦ではこれだけ頑強に作っても割れるほどの衝撃があるそうだ。
マジカルレーシングがこうしたサポートを行う中、同社の想いと選手たちの努力は実を結ぶことになる。2024年パリパラリンピックにおいて、車いすラグビー日本代表が史上初の金メダルに輝いたのである。
フォルムと素材の両面から機能を追求したボディワーク

ドレスアップの意味合いが強い外装・エクステリアパーツ。しかし、マジカルレーシングのボディワークは機能性からアプローチして導き出されたフォルムを持っており、その製品の独自性は際立っている。
ぜひ、愛車のカスタムの際には同社の製品にご注目いただきたい。
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